ボルシアMGを封じたプレッシング
シーズンを終えた後で、最も価値のある1勝として振り返られるのかもしれない。
2014年11月9日、ブンデスリーガ第11節、ドルトムントはホームにボルシアMGを迎える。試合開始前には、暫定的にではあったが、ドルトムントは18位と最下位に沈んでいた。後が無かった。
【GK】バイデンフェラー、【DF】右SBピシュチェク、右CBスボティッチ、左CBソクラティス、左SBドゥルム、【MF】ボランチにベンダーとケール、2列目は右からムヒタリヤン、香川真司、ロイス、【FW】オバメヤン。
香川はトップ下として先発出場である。また胃腸炎での欠場の可能性が報じられていた、バイデンフェラー、ロイスの両者も結局のところ先発での出場となった。
前半を通してドルトムントは、高い集中を持った慎重な姿勢でゲームに臨んだ。少しおっかなびっくりのところもあったが、それは勝利への執念とも言い換えることが出来たかもしれない。
試合後に香川が「上手くプレッシングがハマっていた部分があった」と振り返るように、ドルトムントは、ボルシアMGの得意とするサイドを中心とした速攻を封じることに成功する。ボルシアMGは単調とも言えるボール回しを強いられた。
8分、香川がプレスを仕掛けたノルドヴァイトの、ヤンチュケへのパスをムヒタリヤンがカットしてショートカウンターを仕掛ける。右サイドを突破したムヒタリヤンの折り返しを、ロイスがダイレクトでシュートを放つ。ボールは右のバーを叩いた。
21分には、自陣ペナルティエリア前で、ノルドヴァイトのラファエルとのワンツーをスボティッチがカットして、ロイスを中心としたロングカウンターを繰り出す。
香川が「このチームの良さでもあるカウンター、ショートカウンターがハマっていた部分もたくさんあった」と振り返ったように、ボールを奪った時の速攻にドルトムントらしさが垣間見えた。