4日に行われたチャンピオンズリーグのグループステージ第4節、レアル・マドリー対リバプールの試合前に、リバプールのサポーター団体がマドリードのマヨール広場で警察官を相手に『鳥かご=ボール回し』を実施し、最後にボールを蹴ったファンが逮捕されていたことが明らかとなった。7日の英紙ミラーなどが報じた。
試合当日、マヨール広場では多数のリバプールファンがビールを嗜み、試合に向けて気持ちを高揚させていたが、ファンの一人が赤いボールを広場に蹴り上げると、それに続くファンが続出し、警察が駆け付けた。
警察官がボールを回収しようと駆け寄ると、そこから鳥かごに発展。警察官は初め、ボールを蹴ったファンを注意するにとどめていたが、遂にしびれを切らすと、最後にボールを蹴った英国人ファンを逮捕した。
同ファンには『警官への暴行』という謎の容疑がかけられたが、地元メディアの証拠が決め手となり翌日に釈放。試合を観戦できずに刑務所で悪夢の一夜を過ごした27歳の男性ファン、ガレス・ラプトンさんは一部始終を次のように語っている。
「災難だった。僕はマヨール広場に着いたばかりで、ボールをひと蹴りしたら警官に取り押さえられたんだ。警察は僕に暴行容疑をかけたけど、映像が証拠となった。僕は翌日、無罪放免となったけど、僕は試合を観られず、100ポンド(約18000円)で入手したチケットはまだポケットの中にある」
「僕が警察署に行くと警官たちが僕を嘲笑った。マドリーの警察を舐めるなよ、と。警察は僕をルーマニア人のスリとフランス人が入っていた牢獄に入れた。水ももらえなかったし、その後、18人が入った牢獄に移され、みんな何とかして寝ようとしていた。それから裁判所へ移送され臭い部屋で待たされた。まるでタイで冤罪にかけられたようだった」
「僕の通訳は心配してくれて、彼女は『この国の警察があなたにしたことを本当にすまなく思う。お願いだから全てのスペイン人がこうだと思わないで』と言った。僕の逮捕映像はスペイン中のテレビ番組で報道された」
「裁判所の警備員でさえ僕を指さして笑い、『君がボールを蹴ったのを見たよ』と言った。裁判官は僕をすぐに釈放し、僕はすぐにタクシーで空港へ向かい、何とか帰国便に間に合った。空港でも知らない人から声をかけられた。僕は数百ポンド(約数万円)をスペインの刑務所で一夜を過ごすために費やしたんだ」
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