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本田圭佑 10年前

「プレイが読まれている」。曲げられた本田の発言、実際は指揮官への信頼を明言。サンプ戦勝利で地元紙黙らせるか

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

今後への試金石となるサンプドリア戦

 問題は、最近の試合でうまくいかなかったところがどう改善されるかだ。インザーギ監督はパレルモ戦を見直したのち「0-2にされた後、選手の何人かは連携をおろそかにして自分勝手にプレイした。メネズがドリブル突破一辺倒になったのもその一つで、それは練習で本人にも指摘した」と語っている。

 ただ、閉じたディフェンスを前にパスを回せるスペースがなかったのも事実。そこをうまく崩せるよう、選手間の連係の質を高められるかどうかが問われる。

 組み立ての向上を意識しインザーギ監督はボナベントゥーラやサポナーラの中盤起用にトライしているが、その成否はミランが力を伸ばしていけるかどうかの鍵となるだろう。

 そして連係の質は、本田のゴールにも直結するファクターだ。4日の会見では「メネズとトーレス、どちらがやりやすいか」という地元記者からの質問が飛んだが、実は流れからの5得点はどちらがCFの場合でもほぼ同じように取れている(メネズのときが2点、トーレスのときが3点)。

 外から中へポジションを絞り、味方が空けたスペースに入り込む本田の動きに変わりはなく、練習を通して培われている戦術上のコンセプトに沿って点が取れているということがわかる。

 パレルモ戦では本田がスペースに走り込む時からベタ付きでマークされていたが、相手の守備は今後も益々きつくなるだろう。こういうものを振り切り味方からパスを呼び込められるか、理解を深められるかどうかが求められる。

 サンプドリアのミハイロビッチ監督も、相手のサッカーをさせないための綿密な戦術対策をベースに闘い、チームを3位タイに導いている。アウェーでこれを破れるかどうかは、ミランそして本田にとって今後に高みを見据えられるかどうかの試金石となる。

【了】

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