サッカービジネスにおける分岐点となるか
しかし、名称変更の対象となっているは、かつて選手としてもマドリーでプレーし、引退後は監督を経て会長として1940年代から70年代にかけて黄金期を築き上げ、今なお広く尊敬を集める故サンチャゴ・ベルナベウ氏にちなんで1955年に改名さられた伝統と格式のあるスタジアムだ。
そのため、現地のサポーターからは「断固反対。ペレス会長のファンを無視した横暴なやり方にはうんざり。ペレス自身はマドリディスタとは言っているが、本物のマドリディスタならクラブで最も偉大な会長、亡きベルナベウ氏と何の関係もないスポンサーを、ましてや金目的だけで付けやしない」と現会長によるマーケティング重視の方針を非難する声も少なくない。
一方で、反対の声ばかりではなく「違和感はあるけど、バイエルンだって歴史的なチームだがそうしている。それが世界最高のスタジアムに繋がるのならオーケーだけど、ベルナベウの名前はやっぱり保持して欲しいね」と亡き元会長サンチャゴ・ベルナベウ氏への敬意を求めつつ、一定の理解を示す意見もあった。
実際、スタジアムのネーミングライツはクラブの財政面を潤すための重要な資金源であり、世界的なスタンダードとなっている。
しかし、サッカーを愛する者なら選手、ファン問わず誰もが憧れるサンチャゴ・ベルナベウ。新設されたバイエルンのアリアンツ・アレナとは異なり、すでに定着と愛着のあるスタジアム名が変更されることに世界はどのような反応を示すのだろうか?
振り返れば、ニューカッスルのセント・ジェームズ・パークはオーナーの独断によってスポーツ・ダイレクト・アリーナに変更されたものの、大きな批判を浴びたため、新たなスポンサーによって元に戻された。
今回のサンチャゴ・ベルナベウの名称変更は、今後のサッカービジネスにおける分岐点となる重要な一件かもしれない。
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