2人の欧州王者からの称賛
その後のスポルティングの快進撃は見事であった。チャンピオンズリーグでは、モウリーニョ率いるチェルシーと善戦し、その評価はうなぎ登り。極めつけは、ポルトとの2連戦を1勝1分と勝ち越したことである。
これでマルコ・シウバは「現会長政権下のポルトから、アウェイで2試合連続勝利をあげた唯一のポルトガル人監督」(エストリル時代から)となり、「マルコはスペシャル」の見出しが新聞を賑わせた。
当初はビッグクラブに相応しくないのではないかという懐疑的な目が向けられたが、ポルトとのアウェイゲームで3-1と勝利したことは重要で、見事に名誉を挽回した格好となった。
チャンピオンズリーグで同グループとなった強豪、チェルシーとシャルケを率いる監督からは称賛の声が相次いだ。
ポルトガル人監督の先駆者であるチェルシーのモウリーニョとマルコ・シウバは顔を合わせたことはない。それでも、この世界的名将にこうも言わしめた。
「マルコとは挨拶を交わしたこともないが、私か明確に言えることは、彼がエストリルで成し遂げたことだ。結果と安定性、プレーのクオリティ、落ち着きのあるリーダーシップとコミュニケーションを発揮した。素晴らしい仕事をしたが、私はそれを大いに尊敬している」
もう1人のチャンピオンズリーグ優勝経験のある名将、シャルケのディ・マッテオは、対戦するスポルティングの分析結果をこう語った。
「4-3-3で戦い、ゲームをよく支配している。マルコ・シウバは極上のアイディアを持つ監督だ。我々は、スポルティングがこのアイディアを持って戦えないようにしなくてはならない。マルコは若くて優れた監督だね」
2人の欧州王者経験者からの称賛を受け、マルコ・シウバは記者会見で喜びを露わにした。彼らの後を継ぐのはそう遠くない未来なのかもしれない。