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UEFAの戦略? デキレース? マンCをめぐる「CL抽選操作騒動」のカラクリに迫る

text by 桑村健太 photo by Getty Images

抽選会のフォーマットに隠されたUEFAのしたたかさ

UEFAの戦略? デキレース? マンCをめぐる「CL抽選操作騒動」のカラクリに迫る
UEFA専務理事ジャンニ・インファンティーノ氏【写真:Getty Images】

 この「ペアリング」という独特の仕組みだが、実は抽選会の前にUEFAの専務理事であるジャンニ・インファンティーノ氏が英語でサラッと説明をしている。

 しかし、UEFAが刊行するCLのレギュレーション冊子にそのことは記されておらず、抽選内容に直結するそのペアリングの具体的な組み合わせについても公表されていない。

 そのため、こういった事実にほとんどの人が気付いていないのである(仮にどこかに記載があったとしても、抽選の手引きとなるレギュレーション冊子に記されていないことに意図を感じる)。

 サッカーファンは、「抽選会」という響きに胸をときめかせるちょっと変わった種族だ。

 ワールドワイドなスポーツであるゆえサッカーの世界には抽選の機会が数多く存在しており、人々はドリームマッチを夢見て固唾を飲む。抽選だけでこれほど話題になるスポーツもそうないだろう。

 しかし、我々が何気なく見ている抽選会の手段には、収入や収益をしっかりと担保するための隠れた工夫や動線が存在している。抽選自体にUEFAの操作があるかは分からないが、少なくとも現行の抽選フォーマットにはUEFAの意向が反映されている。

 このあたりの見えざる戦略性にUEFAという機構のしたたかさを感じずにはいられない。

 なお、この記事を書き終えてから気付いたことだが、Wikipediaの「UEFAチャンピオンズリーグ」という項目の日本語ページに、今回触れたペアリングについての記載がある。

 しかし、その記載内容があまりにも具体的かつ専門的であるため、UEFAおよび放送関係者が追記した内部情報である可能性が高い。

【了】

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