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UEFAの戦略? デキレース? マンCをめぐる「CL抽選操作騒動」のカラクリに迫る

text by 桑村健太 photo by Getty Images

シティに一体何が起こったのか?

 では、検証を始めよう。

UEFAの戦略? デキレース? マンCをめぐる「CL抽選操作騒動」のカラクリに迫る
ポット2の抽選4チーム目、シティが振り分けられうる組

 CLの抽選には、予め「ポット分け」というものが用意されている。これはいわば各組の勢力図をある程度均等にするために設けられたもので、過去5シーズンのUEFA大会の成績をもとに数値化され、出場32チームが4つのポットに分けられている(ポット分けの詳細はこちら)。

 本大会の抽選会では、ポット1から順に抽選が行われる。各組にポット1からポット4までのそれぞれ1チームが入るが、同じ協会に属するチーム同士は同じ組には入らない。この抽選会のルールはとりあえずそんなところである。

 現地時間8月28日、スイスのニヨンで抽選会がスタートした。場面はポット1の抽選がひと通り終わり、ポット2の抽選が始まったところだ。

 懸案のシティはポット2の抽選の4チーム目に出てきた。ここからは右の図を参考にしていただきたい。各組の構成は横軸になる。

 ポット2ではこれまでゼニト、PSG、シャフタールが各組へと振り分けられている。すなわちシティには5つの組(A、B、D、E、G)に振り分けられる可能性があったが、D組とG組にはすでに同国クラブであるアーセナルとチェルシーが在籍していたため、3つの選択肢(A、B、E)が付与されるはずだった。

 しかし、実際の抽選会ではシティに抽選の機会が設けられず、自動的にE組へと振り分けられた。

 これは映像でも確認できる。あまりにも自然に処理が進められたせいか会場では一切どよめきのようなものが起こらなかったが、UEFAが発表する抽選のレギュレーションを無視した措置である。

 これにはどのような理由があるのだろうか? 私は、一人の助っ人に連絡することにした。CS放送局『スカパー!』が数年に一度開催するCLのクイズ大会で2度の優勝経験があり、CLの知識に関して日本でこの人の右に出る者はまずいないという坂上大輔氏である。

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