深刻な経済難に見舞われた両雄。主力を次々と失う
先週末の不甲斐ない結果により、すでに多くの者が気が付いていた事実が改めて白日の下に晒された。
インテルとミランの2チームには面白い選手たちも何人かいるし、シーズンを通して改善を図っていくチャンスもあるが、スクデットを争えるチームには程遠く、おそらくはチャンピオンズリーグ出場権も争えないだろうということだ。
ミラノの2チームが抱える問題の基本的な部分は共通している。ファイナンシャル・フェアプレーのためオーナーがクラブに資金をつぎ込むことを阻まれ、どちらも大赤字で深刻な経済難に見舞われているのだ。
問題の根は約5年前にまで遡る。収入が限られることが予期される状況で、両チームともに人件費のための総支出を賄えなくなることが明白になった時だ。
インテルにとってもミランにとっても当然ながらメンバーを若返らせる必要があり、特に高額な選手たち数名を売却・放出することが求められていた。どちらのケースにおいても、この過程は一旦先送りにされたあとあまりにも拙速に進められたため、チームには有機的な世代交代を行っていく時間が与えられなかった。
ピルロ(移籍先のユヴェントスを3年間で3度のスクデットへ導いた)を手始めに、ミランは立て続けにロナウジーニョ、セードルフ、インザーギ、ガットゥーゾ、アンブロジーニを手放す。
その後の数年にはイブラヒモビッチ、チアゴ・シウバ、カカー、ロビーニョ、バロテッリも、経費を削減してクラブの経済的損失を部分的ではあっても穴埋めするために売却されていった。
インテルはまずブラジル組(ルシオ、ジュリオ・セーザル、マイコン、ブラジル出身のチアゴ・モッタ)を放出。
その後の2年でアルゼンチン組(カンビアッソ、ミリート、サムエル、サネッティ)にも別れを告げた。加えてバロテッリ、エトー、マテラッツィ、キブ、スタンコビッチ、スナイデルも次々と去って行った。