「カウンター」のためのボール回し。堅守の一端も担う
ホッフェンハイムを3-1で下したように、ホームで狂乱のゲームをするイメージのあるボルシアMGだが、特徴の1つとしてまず「堅守」を挙げることが出来る。
と言っても、いわゆる「カテナチオ」のような守り方をボルシアMGは取る訳ではない。
もちろんディフェンスラインと、クラマーとシャカ(バイエルン戦で負傷離脱)のダブル・ボランチを中心とした守りが固いのは事実だが、ゲーム中に効果的にポゼッションの時間を取り入れており、ボール回しが堅守の一端を担っている。
ホッフェンハイム戦でも、バイエルンでアロンソがそうするように、クラマーが最終ラインに入ってビルドアップの中心を担って、パスを繋いでいった。
そしてボルシアMGにとってボール回しは、最終的には攻撃を完結させるための手段というよりは、「カウンター」のためにエネルギーを貯める時間といった意味合いのほうが強いようである。
次いで大きな特徴となっているのが「カウンター」だ。ボルシアMGの2トップ、ドイツ代表クルーゼとラファエルはFWではあるのだが、フィニッシャーというよりもカウンターの中継点としての役割の方が大きい。
ホッフェンハイム戦での先制の場面を見てみる。11分。ホッフェンハイムの右CBスレが最前線のモデステ目がけてロングボールを蹴る。シュトランツルが頭でカットして左にいたヤンチュケへ。ヤンチュケは前を見ると下がってきたヘアマンへ送る。
ヘアマンはダイレクトで後方に、また下がってきた「ラファエル」へ。「ラファエル」はヘアマンとのワンツーから、「クルーゼ」が相手を釣って空けたスペースへボールを送る。そこにクラマーが走り込んで拾う。
クラマーは左サイドを駆け上がったヘアマンにパス。そしてファー・サイドでフリーとなったハーンに折り返す。ハーンがダイレクトで押し込んで先制する。
これだけ人数を掛けていながら、全く淀みがない。実に良く訓練されたカウンターである。