チーム・個人ともに求められる“プランB”の確立
後半に入ると、2点のリードを奪ったパレルモは、しっかりと守備を整えてミランの攻撃を受け流した。
試合後のスタッツを見ると、ポゼッション率はミランの63.2%に対してパレルモは36.8%、パス本数でもミランの482本に対してパレルモは247本とミランが大きく上回っていた。
それでも、試合を見た印象としてはミランは“何もできなかった”。シュート数を見ると、ミランの14本に対してパレルモは13本とほぼ五分。しかし、枠内シュート数を見ると、ミランの3本に対してパレルモは7本と大きく上回っている。
相手の守備を崩せず闇雲にシュートを放ったミランと、カウンターからきっちりと狙いを定めてシュートを放ったパレルモ。インザーギ監督には、封じられた際の“プランB”が存在せず、指揮官によるゲームプランが明暗を分けた一戦となった。
本田圭佑は、この試合でもフィジカルの強さは見せつけたものの、3試合連続ノーゴール。ただ、ここまでの好調ぶりを見れば警戒されるのは当然と言える。
「好調の後の停滞」は避けては通れないものであるが、必ず理由はある。この試合では、アタッキングサード中央でのプレー割合が23.04%(フルタイム)だったものの、ペナルティエリア内に侵入した割合は0%。好調時であれば5%前後は記録している。
もちろん、CFに起用されたフェルナンド・トーレスのプレースタイルも関係してくるが、そこを整理することも重要な仕事だ。中への侵入が封じられたのなら、サイドからクロスを上げる選択肢も欲しい。
今後、再び輝くためにはチームだけではなく、本田個人としても“プランB”を確立する必要があるだろう。
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