本格的に頭角を現してきたプラチナ世代
それでも、プラチナ世代も所属クラブでは既に重要な選手に成長している。柴崎は小笠原満男とダブルボランチを組み、鹿島アントラーズで確固たる地位を確立した。2列目、3列目からの飛び出しという、大先輩にはない武器も身につけた。
宇佐美にしてもドイツでの経験を糧に、ガンバ大阪復帰後はゴールを量産。元々、この世代最高の選手ではあったが、ストライカーとして完全に覚醒しつつある。
また、昌子源のようにプロ入り後に急成長を遂げた選手もいる。ガンバのジュニアユース時代はFWだったが、米子北高校でDFに転向した。3年になる頃には世代屈指のセンターバックに成長し、鹿島では今シーズンから本格的にレギュラーを掴んだ。Jリーグのストライカーと対峙することで飛躍的な進化を見せている。
FC東京で大活躍を見せる武藤嘉紀は大学で一気に伸びた。FC東京U-18時代もトップ昇格できたが、慶応大学へ進学。そして今シーズン、3年生でF東京に加入すると、クラブの主力はもちろん、日本代表で得点を挙げるなど飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している。
ここにきてようやく、プラチナ世代が本格的に頭角を現してきた。これから各々が所属クラブで中心選手に成長していくはずだ。そして、誰かが活躍すればそれに触発されるように他のプラチナたちも更に努力することだろう。
27節の鹿島対ガンバの一戦、鹿島には柴崎、昌子、土居聖真の92年組が出場していた。ガンバの宇佐美は同世代の選手たちとの対戦についてこう話していた。
「むっちゃ楽しかったですね。それは僕だけではないと思いますし、やりながら緊迫感、緊張感があった」
大きな注目を集め、互いに切磋琢磨してきただけに、ライバル心もあるだろう。負けられないという気持ちが相乗効果となり、この若者たちの背中を押すだろう。それが結実した時、彼らは間違いなくプラチナの輝きを放つのだ。
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