CFにはトーレス起用が濃厚。DFラインの裏を狙う
カリアリvsミラン戦当日の29日、地元紙各紙は本田の先発を予告している。ポジションはすっかり定位置となった4-3-3の右FW。ただCFはメネズではなく、フェルナンド・トーレスの先発が濃厚視されている。
複数の地元紙は28日、「ベルルスコーニ会長がフィオレンティーナ戦のハーフタイムで『トーレスをCFとして使え』という指示をインザーギ監督に与えていた」と報道した。
もっとも、そのことを記者会見で振られたインザーギ監督は「会長からは与えられたのは指示ではなく助言。監督がエリア内にFWを置くことを好んでいるのは知っているが、それぞれの試合によって適した起用法がある」と語り、選手起用の権限と責任は自分にあることを強調していた。
その結果としてカリアリ戦でトーレスが起用されるのならば、相手の浅いDFラインの裏を突き、CBを引きつけて押し下げる狙いがあることだろう。エンポリ戦、またはヴェローナ戦でのゴールのように、本田はその空いたスペースへ入り込みゴールを狙いたい。
ゼーマン監督は、守備的な文化のあるイタリアの中で頑として超攻撃的なサッカーをやり通す鬼才だ。才能を見抜き育成する手腕にも長け、体力が十分ある若い選手たちの揃ったチームでは異常なほどの爆発力を引き出す。
果敢なフォアプレスで相手の布陣を押し込み、激しいポジションチェンジを織り交ぜた速攻にはめられると、ビッグクラブであっても脱出は難しい。先日もサン・シーロで、インテルが血祭りに上げられた。
「選手を“個”で見れば、ミランは明らかに我われよりも強い。だから力以上の出すように頑張らなければならない」と語るゼーマン監督は「4点を挙げて勝ったインテル戦も選手たちは後半に休み、試合のリードを守ることだけを考えていた。
そんなサッカーは好きではない。選手も別に疲れているとは思わない」と、ミラン戦にあたって90分間の全力疾走を命じている。