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香川真司 10年前

剥き出しの闘志と新システム。絶望のドルトムントに見えたわずかな希望。香川とロイスのツー・シャドーが機能

text by 本田千尋 photo by Getty Images

香川のゴールとして結実した攻撃的精神

剥き出しの闘志と新システム。絶望のドルトムントに見えたわずかな希望。香川とロイスのツー・シャドーが機能
一際目を引いたのはフンメルスである【写真:Getty Images】

 一際目を引いたのはフンメルスである。W杯を終えて今ひとつ調子の上がっていなかったフンメルスは、まだスコアレスだった28分、果敢にドリブルでボールを持って駆け上がった。鬼気迫る表情だった。

 そのドルトムントの姿勢は、試合を終えてオフサイドの数が、ザンクトパウリが「2」であるのに対してドルトムントが「8」であることからも伺える。オフサイドの多さは、攻撃的精神の現れと言って良かった。

 そして最後に香川のゴールとして、その攻撃的精神は結実した。86分、ヨイッチの獰猛なプレスから、ザンクトパウリのGKチャウナーがミスキックすると、これを香川が拾う。香川はきっちりと決め切った。

 ドルトムントは3-0でザンクトパウリを相手に勝利を収める。そして香川は言う。

「僕的には絶対上手くこの流れを断ち切るという手応えを感じている」

 リーグ戦での絶望的な悪い流れを断ち切るためのわずかな希望として、ドルトムントは剥き出しの闘志と新システムを、ザンクトパウリ戦で示した。

【了】

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