プレミアリーグで顕著な「多国籍化」。66%が外国籍
また、今季、チェルシーからACミランにレンタル移籍をしたフェルナンド・トーレスのように、レンタル移籍とは、移籍金が発生しない代わりに、その選手を借り受けるクラブが選手の給与を保証する移籍のこと。
移籍が活発化するなかで、その弊害として、金満クラブほど補強を有利に進められるため、チーム間で大きな戦力差が生まれたことや、『外国籍』選手に関する問題が浮上したことが挙げられる。
特に、この問題が顕在化したのは、プレミアリーグである。
5大国のなかで、もっとも多国籍軍の色合いが濃いプレミアリーグでは、基本的には外国人枠の制限がないものの、労働ビザの関係で、直近2年間で75%以上の国際Aマッチの出場経験が求められ、その条件を満たさない限り労働ビザが下りない決まりになっている。
しかしそうした条件下でも、外国籍選手の獲得と試合での起用が目立ち、例えば2009年12月30日に行われたポーツマス対アーセナル戦では、両チームのスタメン選手全員が『No English Player』だったという試合さえあった。
こうしたことを受け、プレミアリーグでは、10/11シーズンから『6+5ルール(ホーム・グロウン・ルール)』、つまり英国人選手を最低6人は出場させなければいけないというルールを導入したが、それでもなお、表(4)の通り、14/15シーズンの登録選手数518人のうち、実にその約66%に相当する343人が外国籍選手なのである。