決勝ゴールを決めた清武「あの一本にかけていた」
他方のハノーファーも、試合後に清武が「綿密に前の3人は呼ばれてミーティングをしっかりしていた」と語ったように、ドルトムントを相手にして十分に策を練ってきたようだ。
ハンブルガーSVやケルンは低い位置まで引いてロングカウンターを仕掛けたが、ハノーファーはディフェンスラインの位置を比較的高く設定して、ショートカウンターを狙った。
24分、フンメルスからギュンドアンへのパスをブリアンが奪う。ホセル、清武を経由して、ハノーファーは流れるようなショートカウンターを繰り出した。最終的にビッテンコートはオフサイドにこそなったものの、ハノーファーの狙いがもっとも顕著に現れたシーンだったと言えるだろう。
後半に入ると、ドルトムントは何度も決定機を作り出す。46分、ベンダーのカットから、ムヒタリヤンがクロスをゴール前に送る。ボールは流れて、ファーサイドのロイスへ。ロイスはゴール左へと外してしまう。
ロイスは52分、54分のチャンスも決め切れない。57分にはフンメルスのロングボールに飛び出したラモスも、ゴールの上へとシュートを外した。
決定機を決め切ることが出来ないでいると、相手にビッグ・チャンスが訪れるのがサッカーである。
61分、ハノーファーにボックスの手前で直接FKのチャンスが訪れた。清武は「正直あの一本にかけていた」と振り返った。清武が蹴ったボールは、バイデンフェラーの右手をかすめてゴールに吸い込まれた。
先制点を奪われて、クロップが動く。66分、ギュンドアンに代えて香川を投入する。清武は73分にソビアクと交代になった。7分間だけ同じピッチの上に立った香川について、清武はこう語った。
「正直ドルトムントというのは凄く強いチームですし、その中に真司君がいるということは凄いことで、自分は常にあの真司君を目指しています。真司君が90分間出ていたら、正直今日の結果はどうなったか分からない。同じピッチに立てて、凄く嬉しかったです」