カタールに敗れるも選手に浸透していた「イメージの共有」
しかし、そのミャンマーもアフィフの右足から放たれた壁を突き抜けるFKを止めることはできなかった。
その後は一進一退の攻防でも決着が付かず延長戦に突入。アフィフのスルーパスを間一髪で防ぐなど、集中した守りを続けていたミャンマーだったが、再びセットプレーからセンターバックのアブドゥに押し込まれ、執念にも思える様な猛攻もかなわず。開催国の戦いはベスト4で幕を閉じた。
ミャンマーには明らかなホームアドバンテージがあった。蒸し暑さに慣れた彼らは対戦相手よりスタミナを気にせず走ることができるし、スタンドを埋め尽くした観客の後押しはもちろん、カタールの選手が背後から押された場面でPKの笛は吹かれなかった。
それでも大会にかける気持ちの強さが運動量や球際のプレーに表れていたが、それ以上に驚かされたのは頑張る中にも役割の意識や相互のサポートが見事に共有されていたことだ。
ボールサイドに数的優位を作り、攻撃時はしっかりスペースを突いて行く。そうした勝負のメソッドをしっかり実行しているからこそ、個に勝る相手を苦しめることができたのだ。
ウズベキスタンの大敗は予想外だったが、世界の切符を勝ち取った4カ国には、ここまで勝ち進んできただけの理由がある。
もちろん勝負というのは1つのチャンスがゴールになったかならないか、ポストに当たったシュートが入っていたか外れたかといった要素で決まる側面はあるが、スタイルは違っても勝利に執着して一体化していくことが、勝負を決る大きな要素であることは間違いない。