ともに好ゲームだった準決勝の2試合
U-20W杯の予選を兼ねるU-19アジア選手権は世界行きを決めた4チームがヤンゴンに集結し、準決勝の2試合が行われた。
開催国ミャンマー、ウズベキスタン、カタール、そして日本をPK戦の末に退けた北朝鮮という顔ぶれは筆者にとっても予想外だが、目の前で展開された2つの試合は全く異なる内容ながら、スタジアムに足を運んで観るに値する好ゲームとなった。
第1試合は前回のU-20W杯でベスト8に躍進し、昨年のU-17W杯でベスト16に進出したメンバーを擁するウズベキスタンを相手に、北朝鮮がGKチャ・ジョンフンの神懸かり的な活躍も手伝い、全員守備でウズベキスタンの攻勢を防ぐと、鮮やかなカウンターとFKからの豪快なゴールなどで、終わってみれば5得点をあげて強豪を粉砕した。
一糸乱れない守備組織で個の力を封じ、攻撃に転じれば日本戦では見られなかった迫力ある速攻でスピードに難のあるウズベキスタンのDFラインを突破。アン・イェグン監督も「選手はリフレッシュしていた」と語る様に、基本スタイルは日本戦と変わらないものの、より攻守に渡り、組織的にハードワークする本来の北朝鮮をこの試合で目にすることができた。
両者とも大目標はU-20W杯の出場権が与えられるベスト4だったはずだが、そこからさらに上を目指す推進力で北朝鮮が勝っていた様だ。
ウズベキスタンが序盤のチャンスから1点でも取れていれば、試合展開は違うものになっていたかもしれないが、序盤にやや不運な失点をした後で、チームとして逆境を跳ね返す意欲、統一感はウズベキスタンから失われてしまったのかもしれない。