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香川真司 10年前

クロップの焦りが見えた敗戦。負傷から復帰の主力を即起用も裏目に。再浮上へ香川が決定的な存在となれるか

text by 本田千尋 photo by Getty Images

不明確なインモービレの役割。ボールの収め役になれず

 一方で12分には危ないシーンも見られた。ギュンドアンがヘッドで反らしたボールを、スベントにカットされる。スベントはボールを奪い返しに来たギュンドアンを振り切って、ゴール前へとクロスを入れた。ギュンドアンの14ヶ月というブランクが感じられた場面だった。

 そして38分の失点シーンも、中盤で競り負けたギュンドアンから生まれたものである。フォクトはギュンドアンからボールを奪ってリッセに渡して抜け出す。リッセがヘッドで前に送ったボールを勢い良く突き刺した。ケルンが先制する。

 前半の終了間際という嫌な時間帯に失点したドルトムントだったが、後半開始早々の47分にゴールを奪い返す。

 香川のフォクトへのプレスから、ロイスがボールを奪ってインモービレに送ると、インモービレは再びワンタッチでロイスへ。ロイスはドリブルで突き進んで、左を並走したインモービレへラストパス。インモービレはダイレクトで流し込んだ。ドルトムントが追いつく。

 香川が順調にチームに溶け込んでいるのに対して、インモービレはまだフィット仕切れていない。フィット仕切れていない、というよりは、役割がはっきりしていない、と言ったほうがいいのかもしれない。

 ドルトムントは今季の公式戦を10試合以上消化したが、これまでのところインモービレにレヴァンドフスキのような収め役はあまり期待出来そうにない。それは後半途中から投入されたラモスもオバメヤンも同様である。

 しかし同点弾に繋がった場面、そして31分に見ることが出来たが、ボックス外でのダイレクト・プレーでは高い可能性がある。31分には、フンメルスの縦パスをインモービレがダイレクトで前に落として、ロイスが飛び出してシュートまで持って行っている。

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