アンカーの周りを自由に使われる
システムを4-1-4-1に変更し、個々の機動力を前面に押し出した清水。前線から果敢にプレッシャーをかけ、高い位置で奪うことで相手陣内でのプレー時間も増加している。前節のセレッソ大阪戦と天皇杯・名古屋グランパス戦で勝利し、この日もアグレッシブな戦いが期待された。
しかし、アウェイに乗り込んで迎えた横浜F・マリノス戦ではそうした特徴が出せず、0-1で敗れた。点差こそ1点だったが、内容的には完敗と言えた。
前半から中村俊輔を中心としたマリノスの攻撃を止められず、決定機も作られた。何とか無失点に抑えたものの、後半も流れは変わらない。58分、藤本淳吾に得意の左足で決勝ゴールを奪われた。
4-1-4-1のシステムは、プレスがはまれば持ち味を発揮することができる。しかし、この日はそうはいかなかった。
中村を起点にボールを回すマリノスに対し、清水はなかなか圧力をかけることができなかった。
前半から目についたのはアンカーの本田拓也の周りでボールを持たれたこと。本田が一人で対応しなければならない場面が多く、複数が絡むマリノスの攻撃を潰せなかった。
「自分とミツ(六平光成)がタクさん(本田)の脇のコースを切るよう言われていた」
インサイドハーフの石毛秀樹はそう振り返った。だが、前からプレスをかける中で、石毛にしても六平にしてもどうしても対応が遅れてしまう。
前半15分にマリノス・中村に持ち込まれシュートを打たれたシーンがあったが、本田のカバーに入る選手がおらず、フリーのままバイタルエリアまで運ばれている。
本田は流れの中で真ん中を空けて相手の起点を潰しにかかったが、そこで取りきれずボールを繋がれ、中央のスペースを使われてしまう。