守備を固めた北朝鮮を崩せず。ロングボール1発で失点
前半37分の失点を振り返ると、FKからGKの中村航輔が2度のセーブでチームを救ったものの、直後のCKでクリアボールをディフェンスが処理しきれず、強引に押し込まれる形だった。
そこまでロングボールの一発をのぞき、ほとんど日本が攻勢をかけていた状況だけに悔やまれる失点だったことは間違いない。
ただ、さらに守備を固めてきた北朝鮮に対して、ボールは回すものの全体の押し上げが足りず、アタッキングサードの攻撃に厚みが出ないまま、チャンスはオナイウや南野のポストを起点に、攻撃陣の間で綺麗にボールがつながった場面に限られた。
北朝鮮は基本的にフラットな4-4-2を維持しており、守備では日本のサイドハーフを2人の選手が挟む形になっていた。それでも左サイドは宮原和也のタイミングの良いフォローアップから、金子翔太が積極的に仕掛ける場面が観られたが、右サイドは関根貴大が相手と常に1対2を作られ得意のドリブルを発揮できなかった。
その関根にとって最大のチャンスは南野のボール奪取からのショートカウンターで、オナイウ阿道、川辺駿、さらに南野がつないで右サイドからの石田のクロスに関根がヘッドで合わせる見事な形のもの。
まさに「ここを決めていれば」というチャンスの1つだったが、本来の武器であるドリブルで相手のディフェンスを引きはがすことができず、後半24分に「オフでアクションを起こせる」(鈴木監督)という坂井と交代した。
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