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フットボールマネーを追え!【09】重要なのは“懐具合”。莫大な金額に達する選手・監督の報酬。人件費率は70%超も

監督にも高額の報酬。トップはモウリーニョの約23億円

フットボールマネーを追え!【09】重要なのは“懐具合”。莫大な金額に達する選手・監督の報酬。人件費率は70%超も
■表(4)監督報酬額ランキング・トップ12(13/14シーズン)

 欧州5大国に話を戻すと、報酬が高額なのは、選手だけではない。表(4)は、監督の報酬額ランキング・トップ12である。

 チーム内に監督が1人しかいないなかで、サッカーほど監督の手腕が勝敗を左右するスポーツはないと言われているだけに、選手に負けず劣らずの高額所得者がずらりと並ぶ。

 この表から、まず言えることは、2位のグアルディオラの報酬は、確かにすごい金額だが、バイエルンの人件費率は、ブンデスリーガの平均値を下回る40%程度に過ぎないということだ。

 12/13シーズン、国内リーグでも欧州チャンピオンズリーグでも王者バイエルンの前に、あと一歩のところで涙を飲んだ指揮官クロップもランクインしているが、ドルトムントの人件費はバイエルンの3分の1以下であり、人件費率そのものも30%台である。

 また、最高額報酬を得たモウリーニョ率いるチェルシーの人件費率は69%で、プレミアリーグの平均をわずかながら下回ったものの、12/13シーズン終了時点での負債総額は、9億5800万ポンド(約1629億円)とリーグのなかで断トツのトップ。

 これは、FFPが導入される以前に積まれた負債がまだ残っているためだと考えられるが、その一方、ここ最近の派手な経営が目立つシティが意外にも、負債総額は5400万ポンド(約92億円)で11位だった。

 さらにいうならば、FFP導入後の12/13シーズン終了時点で、プレミアリーグで債務超過に陥っていなかったのは、ノリッジ、スウォンジー・シティ、ウエスト・ブロムウィッチの3チームだけ。

 また、表(4)で、モウリーニョに次いでプレミアリーグの2番手として登場したのは、名将ヴェンゲルである。

 アーセナルの人件費率は、プレミアリーグのなかでは下から2番目の54%で、負債総額は、2006年に完成したスタジアムの建設費用3億9000万ポンド(約663億円)を入れても、残りあと9300万ポンド(約158億円)と、なかなかの優良企業ぶりを発揮する。

 兵器工場として産声を上げたアーセナルは、現在に至っては、ヴェンゲル工場長の手のなかで、最強の戦士を作り上げる育成工場と利益製造工場へと進化を遂げたというわけだ。

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