70%を超えるイングランドとイタリア。健全経営のドイツ
表(3)は、欧州5大国の人件費率とその総額についてである。
これを見ると分かるように、もっとも健全経営がなされているのがブンデスリーガで、プレミアリーグやセリエAの人件費率は70%を超え、リーグアンも70%に迫る勢いだ。
また、プレミアリーグに限っていうと、人件費率71%の残りの29%の金額(約824億円)が、例えばプレミアリーグの次に総収益が大きく、しかも人件費率が51%ともっとも低いブンデスリーガの残り49%の金額(約686億円)を軽く超えている。
つまり、選手と監督の給料を支払った後に手元に残る、チームを運営するために必要となる金額が他リーグを圧倒的に凌駕していることからも、そのすごさがひしひしと伝わってくる。
しかし、UEFA(欧州サッカー連盟)のファイナンシャル・フェアプレー(FFP)に抵触したマンチェスター・シティの12/13シーズンの人件費は、プレミアリーグのなかでは、もっとも大きく2億3300万ポンド(約396億円)に達し、人件費率は86%にも及んだ。
同2位は、ユナイテッドで1億8100万ポンド(約308億円)。そして3位チェルシー、4位アーセナルへと続く。
ところが、人件費率ランキングでは、そのシティでさえ第4位で、トップはクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)の128%。次いでフルハムの92%、そしてストーク・シティの90%となっている。
ここでも、さすがと言うべきなのか、人件費率がプレミアリーグのなかでもっとも低いのは、ユナイテッドで、適正水準の50%である。
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