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アジア 10年前

磐田でデビューし、オランダで経験を積んだカレン・ロバートインタビュー。タイで奮闘、目標はACLで日本凱旋

text by ASEAN FOOTBALL Link photo by SuphanburiFC

「ボールを取られたのに歩くとか、日本では信じられません」

――タイサッカーの印象について技術レベルは低くない、ということでしたが、問題や課題はどういった点でしょう。

「戦術面ですね。まず現状、ゾーンという戦術はできないと思います。マンツーマンでわかりやすくないと理解できないから、監督もはっきりとしたわかりやすいことしかしない。シンプルにマークを当てはめる、誰かを“ぼかす”ようなことはできないです。そういう戦術的な部分では遅れているのかなと」

――それは選手の理解力の問題なんでしょうか。

「理解力なのか、やったことがないのか、根付いていませんね。ただ、ブリーラム・ユナイテッドだけは唯一、他のチームでは味わえないことをしてきます。たとえば日本では当たり前のプレスバック(挟み込んでプレッシャーをかけること)なども、はっきりと感じるのはブリーラムだけ。下位のチームほどすぐに間延びしてラインが二つになる傾向がありますが、そこもブリーラムはしっかりしています。みんながちゃんとやるから強い、やっぱりタイでは抜けていると感じますね」

――その他にプレー面で問題を感じるところはありますか。

「メンタル面というか、サボってしまう。ボールを取られたら取り返すとか、当たり前のことができていません。ボールを取られたのに歩くとか、日本では信じられません。そういうのは大嫌いなので、その場で名前を叫んで怒っています」

――タイの選手は強く言われるのを嫌がると聞きますが、反応はどうですか。

「聞いてくれますよ、理解しようとしてくれる。相手が後ろを向いていたら行けとか、相手が余裕持っているなら行くなとか、そういうことを言い続けてだいぶよくなったかなとは思います。まだまだですが」

――プレー以外の面では文化的なギャップ、時間にルーズな点などに戸惑う日本人選手が多いようですが。

「ウチはけっこうしっかりしていますよ。遅刻の罰金なども厳しくやっているので、みんな時間通りに来ますし。バンコクまで1時間半くらいで行けるんですが、連戦が続いている時はスパンブリーに泊まらなければいけないとか、規律的には他のチームよりしっかりしているような気がします。契約面も契約の通りにすべてやってくれていますし、ビザもちゃんと取ってくれる。そのへんは事前に聞いていたのと違って、ウチのチームは問題ありませんね」

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