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Jリーグ 10年前

「正直、熱くなった」。G大阪・今野が見せた意外な一面、鬼気迫るボール奪取で中盤を支配。鹿島との上位対決制す

text by 青木務 photo by Getty Images

「普段はここまで熱くなることはない」

「ファウルもかなりした。でも、ボールもかなり奪っていたから。理想はあまり熱くならずファウルなしで、今日みたいにボールを取れればいいんだけど」

 そう成果と課題を語ったが、興奮は冷めない。「今日はちょっと火をつけられたかな」と笑った。

センターバックとしての今野ももちろん素晴らしい選手だ。アルベルト・ザッケローニ前監督が率いた日本代表でもレギュラーを務めてきた。

 それでも、ボランチにいると一瞬で相手に寄せ、あっという間にボールを奪ってしまう。CBでは抜かれると即失点のピンチに繋がるため自重する場面もあったが、一列前では迫力が違う。

 どちらで出ても能力の高さは変わらないが、鹿島を相手に見せた鬼気迫るボール狩りは、見ている人の心を動かしたのではないだろうか。

「普段はここまで熱くなることはないかな。今日は異常にファウルが多かったからね」

 この日見せた一面はあくまでイレギュラーなものだった。理想は冷静さを保ちつつ、ボールを奪う回数を増やすことだ。

 確かにファウルも多かった。理想に辿り着く上で課題が見つかった試合でもあったが、言い換えれば、今野の成長曲線はまだ上昇しているということでもある。

 上位対決で浮かび上がった、今野の沸騰するような熱い一面。

 見応えのある90分の中で輝きを放ったガンバのボランチは、満足そうな表情を浮かべてバスに乗り込んだ。

【了】

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