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日本代表 10年前

大敗のブラジル戦に若きゲームメーカーは何を思ったか。柴崎岳が感じた王国の強さと自身の課題

text by 河治良幸 photo by Getty Images

「並大抵の速度では、こういったチームに対応できない」

 代表初先発の森岡亮太、田口泰士と慣れない中盤を組んだ状況で、ブラジルの正確な技術、強いフィジカル、的確なポジショニングに押される状況が続いた。それでも、ボールキープと動き出しを駆使して、何とかチャンスの起点になるプレーを見せた。

「チームの形としてはカウンターというか、なるべくゼロにおさえながらチャンスを決めるというのはありました」という基準からすれば、厳しい流れの中でもボールを持ったら縦に運ぶ、前線に付けていく姿勢はアギーレ監督の方針から外れたものではないはずだ。ただ、その流れで時に守備のバランスが崩れ、時にミスが出てしまった事実は受け止めるしかない。

 そうした部分は柴崎も直視しているはずだが、トライした全てをネガティブに感じるのではなく「フラットな形でいい部分も分析する必要はある」と強調する。同時に「並大抵の速度では、こういったチームに対応できない」と認めるが、そのために闇雲に頑張るのではなく、次のステップのためにやるべきことを具体的に意識していくことが柴崎の成長理論なのだろう。

「自分のトップフォームの期間の中で成長速度を上げながら、またこういうチームとやれる時にいい部分を出せる様に1からやり直すというか、見つめてやっていく必要はあると思います」

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