失点に直結するミスを犯してしまった
後半3分だった。中盤で田中順也からボールを受けた柴崎岳がワンツー気味に右足のアウトサイドで出そうとしたショートパスをコウチーニョにカットされると、慌ててリカバリーした柴崎の追走もむなしくネイマールにスルーパスを通され、痛恨の2失点目を喫した。
「2点目を決められて崩れた」とアギーレ監督が悔しがるのも無理はない。地に足が着かない状況で前半18分に守備ラインを崩される形で先制点を奪われたものの、その後は何とか立て直して粘り強く守りながら、何度かチャンスも作れていたのだ。ブラジルとの差を見せ付けられた中でも、勝負の大勢を決する2失点目だった。
「スピーディーなカウンターを持っているチームでしたし、そういったミスを見逃さない質の高さを実感しましたし、1つの教訓として思うところはあります」
そう振り返ったのは直接のミスをしてしまった柴崎だ。9月のベネズエラ戦、そして10日のジャマイカ戦と高いパフォーマンスを示し、アギーレ監督の信頼を得ると、6人が替わる形でスタートしたブラジル戦でも中盤のインサイドハーフで先発した。
しかし、この試合では中盤でなかなかリズムを作れず、「相手を見てしまう守備をしてしまい、そこを突かれた」と語る1失点目では相手の流動的なポジショニングに惑わされる形で、手前に引いて来たジエゴ・タルデリの動きをチェックできず、ほぼノープレッシャーでネイマールに縦パスを出させてしまった。
「普段ならありえない様なミスがおこってしまったりとか。それは技術なのかメンタリティなのか、経験による緊張感なのか、見えないところでのものなのか。色んな要素が考えられますし、1つひとつ追求していくしかないかなと思います」