親善試合も貴重なテストの場だが本気モードとは程遠く
10月のインターナショナルマッチデー、再来年のEUROに向けた予選に勤しむ他国をよそに、開催国のフランスはポルトガル、アルメニアと親善試合をこなした。
親善試合といっても、「予選」という実戦のないフランスにとっては決して気を抜くことのできない真剣勝負である。だが、相手も無用な怪我を恐れるなど、本気モードにならない場合が多いのが現実。
11日にスタッド・ド・フランスで行われたポルトガル戦も、完全な興行試合だった。
ちなみに、パリにはポルトガル系住民が大勢いる。多くは移民として渡ってきて、この地に住みついた人々で、アパートの管理人などは、だいたいが働き者のこの国の人たちだ。
よって、ポルトガル代表やベンフィカがプレーするときには、彼ら、在住ポルトガル人が集結して、スタジアムはアウェーとは思えない雰囲気になる。
何年か前にベンフィカがリールとのCLを同じくスタッド・ド・フランスで戦ったときなどは、リールからの遠征サポーターを凌いで、完全にポルトガル側のホーム状態だった。
この日も熱烈な“クリロナコール”が起こるなど、声援だけ聞いていたら、どちらの自陣だかわからない熱気にスタジアムは包まれた。
そんな中、デシャン監督がこの試合に送り込んだのは、GKをナンバー1のロリスからマンダンダに替えた以外は、ベンゼマ、バルブエナ、マテュイディ、ポグバ、キャバイエら定番のイレブン。
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