指導者の育成もアジアを舞台に
――指導者をアジアで鍛えるとすると、具体的にはどういう形になるんでしょうか。
「今、東南アジアの提携国からも、指導者を送ってくれないかというオファーはあるんです。そこは、いくつかの考え方があると思いますので、これから整理していこうと思っています。
Jリーグとしてはまず、海外で指導をしている人たちとのネットワーク作りから始めていこうと。選手も含め、日本人会じゃないですが、定期的なコミュニケーションができるようなパイプ作りというのも、地味な作業ですけども大事な要素の一つだと考えています。
アルビレックス新潟・シンガポールで監督をしていた杉山弘一さん(アユタヤーFC監督)が今タイにいますが、シンガポールとタイで監督をした経験を持つ人なんてそうはいない。
そういう人が何を考え、何を得て、日本に対してどんなことを発信したいのか。きっといっぱいあるはずなんです。そういう声をちゃんと聞くことも、僕らにとっては宝の山かもしれません。
今、日本にはJリーグや日本代表の指揮を執るのに必要なS級ライセンスを持った指導者が400人くらいいます。出番を待っている指導者がたくさんいるのです。
そういう人たちがアジアで指導することによって指導スキルを上げていくと同時に、現地の若手の発掘機能にもなれば、Jリーグへの戦力供給の役割も担うかもしれない。一石二鳥ですよね。
そのあたりの具体的な道筋をつけて結果を出していくのが、『アジア戦略』の次のフェイズになるのかなと思っています」
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