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村井チェアマンに聞くJリーグ「アジア戦略」の現状と今後。選手も指導者も『アジアで鍛える』

text by 本多辰成 photo by Tatsunari Honda

新チェアマンの描く「アジア戦略」

村井チェアマンに聞くJリーグ「アジア戦略」の現状と今後。選手も指導者も『アジアで鍛える』
Jリーグがタイリーグのクラブを対象に、リーグ運営や八百長対策などのノウハウを提供するセミナーを開催【写真:本多辰成】

――村井チェアマンは今年1月に就任されましたが、「アジア戦略」についてはどのように捉えていますか。

「当初からのコンセプトとして、まずはアジア全体のレベルアップに貢献するというのがありました。今回、W杯でアジア勢は全てグループリーグで敗退してしまいましたが、アジア全体のレベルが上がり、アジア予選が白熱しなければ、世界の舞台でアジアが勝つことは難しい。

 そして、もう一つはビジネス上の観点です。現状、アジアのマネーがヨーロッパへ流れてヨーロッパが繁栄する、という構造がある。

 今回もイングランドのプレミアリーグなどと、タイ一国で3年300億円くらいの放送権契約を結んだと聞いています。アジアのお金はアジアで還流していくことができないか、ということです。

 Jリーグは今、51クラブが共存できるくらいまで成長しましたので、競技上、ビジネス上の観点でアジアに貢献できるものはないか、ということを考えています」

――当初のコンセプト以外に、現時点で新たに見えてきたものはありますか。

「W杯での日本の敗退を見て非常に強く思ったのは、本当に日本が世界で勝つためには、まだまだJリーグのレベルが上がらなければダメだということです。

『アジア戦略』はこれまで、アジアに貢献するとか提供するといった視点が強かったんですが、まだまだ日本にはそんな余裕はない。

 日本が強くなるためにアジアとどう向き合うのか、Jリーグが強くなるためにどうやってアジアを生かしていくのか、という観点で少しチューニングしなおしています」

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