「ホントにやるたんびに悔しさが倍増していく」
それでも後半から左サイドに回ってからは、長年ともに戦ってきた長友佑都(インテル)、香川真司(ドルトムント)と非常にスムーズな連携を見せた。
「真司が入ってあそこでしっかりと起点になれるんで、周りは安心して懐に入っていけますし、安心してボールを預けられる部分はあります。そこからいい形っていうのが得点にはつながらなかったですけど、何本かあったんじゃないかと思います」と手ごたえも口にした。
そのいい流れを14日のブラジル戦(シンガポール)でも持続したかったところだが、香川が脳しんとうで離脱。それもあって指揮官はA代表初先発4人を含む若いメンバーを抜擢し、テストに重きを置くことにした。本田もアギーレ体制初のベンチスタートとなり、前半は戦況を見守った。
だが、ブラジル戦経験者が川島永嗣(リエージュ)と岡崎慎司(マインツ)の2人だけという急造チームでは、なかなか組織的な戦いはできない。前半は少なくとも粘って無失点で折り返したかったが、一発のタテパスをネイマール(バルセロナ)に決められ、1点をリードされた状態で折り返すことになる。
本田は流れを変える切り札として後半頭から投入されたが、渇望していたゴールという結果を出すことはできなかった。
「悔しいですね。自分自身、若い選手と違って何度もブラジルに負けているんで。ホントにやるたんびに悔しさが倍増していく。改めて現実を突きつけられました。
向こうの方がハードスケジュールの中で乗り込んできてしっかり戦っている。前半のうちに1点を取って優位に試合を運んでいる。もちろん0-1で負けるのと0-4で負けるのとでは精神的なダメージは違うけど、自分としては前に負けた時より大きなものを学んだ。この悔しい気持ちを糧にして、『いつかは』って思いは常に持っています」