「カリム・ベララビ―1つのデビューは希望を抱かせる」
13日付のキッカー紙ではレーブが「次の2年間に渡って若い選手に、そこから学ぶ経験を積ませなければならない」と述べた。指揮官は2016年の欧州選手権本大会まで、情勢を大局的に眺めている。人材は急には育たない。
ポーランド戦は不発に終わったが、スコットランド戦でミュラーは窮地を救う力としての可能性を示した。今後レーブは、U-19欧州選手権優勝メンバーで得点王のブレーメン所属FWゼルケといった未招集の選手の抜擢も考えているのだろう。ルディガー、ドゥルムの国際試合の出場数の少なさは、そのものが可能性とも言える。
しかし同時に、ビアホフ氏も言及した育成面でのちょっとしたツケを払っていかなければならないのも事実だ。4年以上先ならまだしも、2年間でミュラー、ゼルケがクローゼの、ルディガー、ドゥルムがラームのレベルに達するとは…少し考えにくい。
ラームの引退だけでなく、シュバインシュタイガーの復帰の時期について見通しが立たず、クロースのマドリーへの移籍もあって、いわゆる「バイエルン・ブロック」に頼れなくなったところもある。そのことも含めてレーブはブラジルW杯からのモデル・チェンジに迫られている。
そして何より今のドイツ代表に必要なものは、ゴールを奪った後で「この瞬間のために人生の多くを捧げてきた」といった言葉を吐き出せるほどの高いモチベーションを再び抱くことだろう。しかし世界王者となった後で、これほど難しいこともない。
その意味でドイツ代表に初招集のベララビは初先発となったポーランド戦で高い可能性を示した。奮闘の後で、13日付のキッカー紙は「カリム・ベララビ―1つのデビューは希望を抱かせる」と記している。
必勝を期す14日の欧州選手権予選アイルランド戦では、「キャリアの中で最も巨大な瞬間」と振り返るような、ベララビのドイツ代表での初ゴールが期待されるところだ。
【了】
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