重要なのは「いかに勝つか」。W杯の惨敗で価値観に変化
「逆に自分たちの集中が途切れた時は絶対やられてしまうんで、ホントに90分間、勝つことにフューチャーしないといけない。引く時間帯もあるし、自分たちがカウンターで攻めることもあると思う。
暑いし、芝もタジキスタンの時より砂が多くてやりづらい感じなんで、やり合いになるのかな」と、彼は出入りの激しい試合展開になると予想する。
2013年6月のコンフェデレーションズカップ初戦(ブラジリア)でブラジルと対戦した時、岡崎は右アタッカーとして出場。何度か裏に抜けるチャンスを作った。けれども結果的にゴールを割れず、チームも0-3で敗れた。
その敗戦と2014年ブラジルW杯での惨敗を経て、彼は勝利に徹底的にこだわるサッカーの必要性を強く感じたようだ。
「どこが相手だろうが、『いかに勝つか』だと思うんです。自分たちの戦い方ができなくても勝ちに持って行けばいいわけで、公式戦と同じようにやるのがベストかなと。それはW杯が終わってからずっと考えていること。
理想を捨てたわけじゃないけど、1回現実を真剣に追ってみて、初めて理想と現実のバランスがかみ合うところを見つけられる。だけど、自分たちの実力はまだそこまで至っていない。だから1回、徹底的に勝つことに傾いてもいいのかなと。
見ている人は面白くない戦い方かもしれないけど、中途半端にやるよりはやり切っちゃった方がいい」と、岡崎は堅守速攻スタイルを貫いて、日本の進むべき道を明確にするつもりだ。
実際、彼自身はマインツで割り切った勝負に慣れている部分がある。格上のバイエルン・ミュンヘン戦などでは勝利のために捨て身で守ることも辞さない。今回の10月シリーズ直前のボルシア・メンヘングラッドバッハ戦でも自陣に引いたしぶとく粘り強い戦いで1ポイントを挙げている。
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