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日本代表 10年前

左サイドから中央へのカットイン――。カギを握るネイマールへの対応。日本勝利へのキーマンは右SBとアンカー

text by 河治良幸 photo by Getty Images

ポイントは、1対1と全体のバランス&サポートの共有

 中央にはアンカーと右CBが待ち構えるが、FWのジエゴ・タルデリやトップ下のウィリアンあるいはカカをおさえる役割もある中で、付き切るのか受け渡すのかを事前に共有しておく必要があるだろう。

 4-3-3で臨んだ場合、中に入ってくるネイマールの対応に関してもカギを握るのはアンカーのポジショニングだ。システム上はセンターFWのジエゴ・タルデリを2人のCBがチェックし、その手前でアンカーがトップ下を見る形だが、入れ替わり立ち替わりで侵入してくる2列目の選手を臨機応変にチェックしていく必要がある。

 ネイマールが最も危険な存在であることは間違いないが、オスカルやウィリアン、出場すればカカも個で違いを生み出せるだけでなく、周りを使うプレーがうまいので、少しでも隙を与えると彼らを起点にネイマールが飛び出す場面も生じてくる。

 ブラジルの左SBはフィリペ・ルイスがつとめると予想される。ディフェンスをしっかりこなしながら、タイミングよく駆け上がって精度の高いクロスを上げてくるタイプだが、ここを右ウィングの本田圭佑がしっかりおさえられないと、ネイマールのマークも浮きやすくなる。

 アギーレ監督はゾーンをベースとしながら、局面は1対1の対応力が生命線となるが、その中で全体がバランスよく助け合えるかどうか。右SBの酒井高あるいは西大伍が同サイドでネイマールの仕掛けを封じることが守備面のカギになる。

 そこだけ抑えれば勝てる相手ではないが、彼にサイドで自由を与えてしまうとチーム全体をリズムに乗せてしまいかねない。

 現在のチーム力を発揮するためにも、何より序盤にイージーなミスをしないことが大事だが、1対1と全体のバランス&サポートの共有を実戦レベルで高め、今後の手応えを掴む試合にしてほしい。

【了】

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