意味のある試合となったジャマイカ戦。武藤には重要な課題
守備でも「前から行き過ぎて、後ろのスペースが空いてしまうと、スピードを活かされると思った」と警戒していたが、そこでボールを奪えたところから、直後のショートカウンターにつなげられたのは1つの成果だ。また右サイドで本田圭佑に入ったところからも、中に流れてチャンスに絡むことができた。
「外から中に入っていく動きは今、代表で求められていることなので、そこは今日出せたんじゃないかって思います」と武藤。そうした場面では中盤や右ウィングの本田圭佑とのコンビネーションが高まれば、あとは精度の問題になってくる。特にスルーパスを得意とする柴崎岳とのホットラインは大きな可能性を感じさせるものだ。
後半途中から中央でもテストされたことに関して「求められたポジションで結果を出さないといけない」と自覚しながら「ウィングの方がいい」と素直な意見を口にした武藤の最大の武器はカットインからのシュートであり、それを発揮できれば先の代表戦でもゴールチャンスは生まれるだろう。
しかし、左サイドバックの長友佑都が「1対1での勝負が多くなる」と指摘する様に速攻を意識する4-3-3の性質上、ウィングが相手のサイドバックと1対1で勝負しなければならない場面が必ず出てくる。チームの攻撃を機能させるには、左で相手のサイドバックを破り、起点になる働きも求められるのだ。
今回はパウエルという新鋭に苦しめられたが、次のブラジル戦も含めて、もっとハイレベルな相手とも勝負していかなければいけない。速い流れの中で同サイドの長友など周囲のフォローも引き出しながら、持ち前のスピードに工夫を加えてマッチアップ能力を高めていけるか。
全体的にはそれほど難しくない相手に見えたジャマイカだが、日本代表の主力になりうるサイドアタッカーに重要な課題を与えたという部分でも、十分に対戦の意味はあったと言える。
【了】
フットボールチャンネルfacebookはこちら→
フットボールチャンネルTwitterはこちら→
関連リンク
フットボール批評issue01 アギーレを殺すのは誰か?
ザックジャパンの軌跡 蒼き戦士たちの躍進とブラジルでの敗北、そして未来
タイトルという形で恩返しを
柿谷曜一朗のサッカースーパーテクニックバイブル
遠藤保仁、W杯を語る。日本サッカーが手にした知性
鹿島アントラーズ サッカー王国のつくりかた
前セレッソ大阪監督『レヴィ―・クルピ』名伯楽が初めて明かす「若き才能の磨き方」
フットボールチャンネル03 代表23人が語る 敗北の真実
サッカー日本代表 きゃらぺた エンブレムVer.
小林悠(川崎フロンターレ)小学生時代に培った技術が自分の武器を伸ばす
FC東京が本当に強くなるための覚悟