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日本代表 10年前

「まるで20年も経験を積んだかのよう」。アギーレも称える柴崎の戦術眼。香川不在のブラジル戦は将来への試金石に

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「彼はワールドクラス。かなり遠いところまで行き着く」

「まるで20年も経験を積んだかのよう」。アギーレも称える柴崎の戦術眼。香川不在のブラジル戦は将来への試金石に
アギーレ監督が「柴崎はワールドクラスだ」と絶賛【写真:Getty Images】

 後半に入ってからは香川とポジションチェンジをする回数が増え、神出鬼没に前線へ顔を出してはチームメートの決定機をお膳立てしてみせた。

 アギーレ監督が「柴崎はワールドクラスだ。圭佑、真司と自然にプレーできているし、まるで20年も経験を積んだかのようなプレーを見せてくれる。彼はかなり遠いところまで行き着くことができる選手だ」と絶賛し、90分間フル出場させたのも、この日の一挙手一投足が非常に効果的だったからに他ならない。

「ただ、アタッキングサードでのクオリティはもっと上げないといけないなとは思います。それは個人的なことでも、チーム全体でもあります。個人個人の意識の中でさらに精度を高めて、コンビネーションだったり、パスの精度だったりを上げることができれば、さらに得点のチャンスを増やす部分っていうのはできたかなと。

 ホントにチャンスは沢山作れたとは思うんで、もう少しいい結果にすることもできた。最低限の勝利というのはつかめましたけど、次は内容の部分もしっかりと前進しなきゃいけないと思います」と彼はしっかりと反省することも忘れなかった。

 初の競演にして息の合ったプレーを見せた香川が脳震とうを起こして代表離脱することになってしまったため、14日のブラジル戦(シンガポール)では柴崎の中盤での負担がより大きくなることが予想される。

 9月のウルグアイ戦(札幌)のように森重真人(FC東京)をアンカー、細貝を右インサイドハーフに上げる守備的陣容にシフトする可能性もあるだけに、柴崎は中盤でプレーしつつもゴールに絡むようなアグレッシブさが今回以上に求められる。

 世界的強豪にそれだけ堂々としたパフォーマンスを見せられれば、彼と日本代表の未来は輝きを増す。それだけの可能性を示してほしいものだ。

【了】

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