合宿開始から具体的なプレーイメージ。卓越した戦術眼が光る
10代の頃から「将来の日本代表の中盤を担う逸材」と言われ、ザッケローニ体制の日本代表にも何度か招集されてきた柴崎岳(鹿島アントラーズ)。
その若武者が底知れぬ潜在能力をようやく発揮したのが、9月のベネズエラ戦(横浜)だった。後半21分に左サイドに流れた岡崎慎司(マインツ)のクロスにはファーサイドで反応して右足ボレー。本田圭佑(ミラン)が「見事におとりにされた」と悔しさ半分にコメントしたほど、見事な1点だった。
このゴールがアギーレ新監督のハートをガッチリつかんだのは確かだ。今回の10月シリーズでも、柴崎は右インサイドハーフの先発候補と位置づけられていた。
「監督が好むプレーや戦術的規律というのは頭にありますし、それを入れながら前回同様、自分のプレーを出して周りに理解してもらう必要があると思います。
インサイドハーフに関しては、4-3-3の中である程度、自由に動けるポジションって言ったらそこくらいでしょうし、攻守のバランスを見ながら距離感を近くしないといけない。運動量を多くしながらアンカーやサイドバック、ワイドの選手、1トップの選手とも距離を近くする必要がある。
そうしないと相手にセカンドボールを拾われてしまうし、チームとしての機能性が出ないと思います。そこのハードワークをしっかりやっていきたいと思います」と新潟合宿スタート直後から、具体的なプレーのイメージを明確に描いている様子だった。
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