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イングランドサッカー協会、2020年に向け400億円規模の改革を構想か

text by 編集部 photo by Getty Images

イングランドサッカー協会、2020年に向け400億円規模の改革を構想か
FAのグレッグ・ダイク会長【写真:Getty Images】

 イングランドサッカー協会(FA)会長グレッグ・ダイク氏は以前から、イングランドの2022年のW杯制覇を目標に掲げている。

 しかし、2014年のW杯では1勝も出来ずにグループリーグで敗退。近年はプレミアリーグでアーセナルやマンチェスター・シティに見られたように、スターティングイレブンにイングランド人が一人や二人、もしくはゼロというような状況も珍しくはない。

 そこでFAは、今後6年間イングランドサッカーの強化を見据え、設備の充実や優秀な人材育成のために2億3000万ポンド(約400億円)の投資を行う構想を明らかにした。10日『BBC』をはじめ、イギリス複数メディアが伝えている。

 この投資により、イングランド全土30都市、全150箇所にサッカーの拠点を作り、プレー環境を整備。3Gピッチ(最新技術による人口芝ピッチ)の導入、ユースアカデミーの強化、新たなコーチの招へいなどが、その主な改革の内容だ。

 ダイク会長は「ドイツやオランダと比べれば、我々は設備やコーチングスタッフの数で後れを取っている」と同じヨーロッパの大国との比較をあげ、イングランドのサッカー界は危機に直面していると説明。

 事実、2000年頃から育成に力を入れ始めたドイツは設備の充実はもちろん、ドイツ人選手を各クラブに最低12人所属させることや、クラブにユースアカデミーの保有を義務付けるなど独自のルールも採用。
 
 その努力は実を結び、ブンデスリーガの繁栄、果ては代表チームのW杯制覇とその強化を実現させている。

 FAが目指すのは“グラスルーツ・フットボール”から変えていくことだ。トッププロだけでなく、子どもから地域リーグまで、すべてのカテゴリーの選手にいい環境、優れたコーチの下でプレーできる状況を作ること。それが国としての発展に繋がると考えている。

 “サッカーの母国”と言われながら、W杯では1966年以来優勝から遠ざかり、94年以降はベスト8が最高のイングランド。栄光から半世紀が経とうとしている今こそ、大きく変わる時なのかもしれない。

【了】

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