ボールボーイにまで指示を…
この日のタッチライン沿いでは、両監督の小競り合いの他にも印象的な場面があった。チェルシーが先制した数分後のこと。アーセナルがスローインを得ると、モウリーニョがボールボーイに合図を送った。
ボールは、リスタートを急くアーセナル選手2名の頭上を越えてチェルシー指揮官の手元へ。モウリーニョは、やや自軍ゴールから遠い位置で「スローインの位置はここ」と言いたげに敵にボールを渡し、ボールボーイに承認のサムズアップを送った。
エミレーツ・スタジアムでの強豪対決で、アーセナルがリードを奪った直後、ヴェンゲルが同じような行動で敵の反撃ムードを未然に防ぐことはあり得ないだろう。「潔い」戦いを信条とする指揮官としてはエチケットにも反する。
だが、モウリーニョが「汚い」とは言えない。こと大一番では、いつにも増して抜かりがないだけのことだ。今季初のアーセナル戦で、チェルシー指揮官は自軍選手に加えて、原則的には中立的なボールボーイも掌握していた。そして、らしからぬ行動を見せた相手監督も。
ビッグゲームでの勝ち方を知るモウリーニョが、強豪相手のロンドンダービーでまた1つ白星を挙げ、チェルシーに3ポイントをもたらした。
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