来年カナダで開催される女子W杯の北中米カリブ海予選を兼ねたCONCACAF女子選手権に参加するため、アメリカに入ったトリニダード・トバゴ女子代表。
だが、W杯への道のりは険しすぎるもののようだ。8日に監督を務めるランディ・ウォルドラムがツイッターで考えられないような現状をつぶやいている。
「助けてくれ! チームは昨夜アメリカに到着したが、総額500ドル(約5万4000円)しか持っていない。ボールなどの用具もない。ホテルへの移動手段すら何もない」
「今日選手たちにどうやって昼食を食べさせればいいかもわからない! 誰かダラス周辺で食事などを助けてくれる人はいませんか?」
「もし助けてくれる人がいたらできるだけ早く教えてくれ! このチームはW杯に出場するだけの実力があるし、彼女たちがより良くなるよう手助けをしたい」
この呼びかけに多くの人々が反応し、その数時間後ウォルドラム監督は次のようにつぶやいた。
「湧き出るような助けの数々に驚いたよ! 皆さん本当にありがとう。皆さんにはあとでお伝えできるようにします!」
「トリニダード・トバゴサッカー協会は我々があらゆることをできるように助けてくれた。お金も増えるし、スタッフも今日やってくる。彼らは我々を助けるためにできる限りの努力をしてくれたよ」
つぶやきを読む限り、どうやら当面の問題はクリアされたようである。
また、トリニダード・トバゴ女子代表への募金を開始するサイトも登場し、監督自身もその件についてツイートしている。
米『ファンサイデッド・スポーツ』によれば、そもそもトリニダード・トバゴ女子代表は非常に小さなプロジェクトで、慢性的に資金と人員が不足しているトリニダード・トバゴサッカー協会の予算と人員のほとんどは男子チームに回されてしまう。
ウォルドラム監督もアメリカNWSLのヒューストン・ダッシュの監督との兼任で、トリニダード・トバゴサッカー協会からはお金を受け取っていないようだ。
チームの中にはアメリカの大学に通っていて限られた期間しか代表のトレーニングに参加できない選手もいるようで、今年7月に行ったベネズエラ女子代表との親善試合は約1年ぶりの対外試合だった。
今回参加予定のCONCACAF女子選手権はNWSLのオフシーズンに開催されるため、ウォルドラム監督にとってトリニダード・トバゴ女子代表を本格的に指導する初めての機会となる。
世界のどこへ行っても男子と比べて恵まれない環境でのプレーを強いられる女子サッカー。15日の大会初戦でホスト国の強敵アメリカと激突するトリニダード・トバゴ女子代表の今後の動向と、ウォルドラム監督のツイッターに注目が集まる。
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