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日本代表 10年前

「相手に主導権を握らせる」。W杯の惨敗を経て、長友の心境にも大きな変化。多彩な戦いが出来るか、ブラジル戦は絶好の試金石

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「主導権を握られるのか、握らせるのかはすごく大きな違い」

「やっぱり日の丸を背負っている以上、負けることは僕自身も悔しい。本気で応援してくださる人たちが沢山いるからまずは勝利ですね。最悪、内容が伴わなくても勝利って形で恩返ししたいってのはあるんで、今はやっぱり勝ちたいです」

 しかしながら、その相手はジャマイカ、ブラジルという強敵だ。特にブラジルはザッケローニ監督体制の4年間に2度戦っており、2012年10月の親善試合は0-4、2013年コンフェデレーションズカップでは0-3の完敗を喫している。

 ブラジル大会で世界トップに勝つことの難しさを再認識した長友にしてみれば、4ヵ月前の教訓を生かす絶好のチャンスと言っていい。

「まだ新チームの戦術や戦い方が定まっていない中で、ブラジルとどんな戦いができるのかは分かんないけど、もしかしたらすごくいい戦いができるかもしれない。この段階でブラジルとやれることは意味のあることだと思います。

 その強豪に挑むに当たって、W杯の経験から言うんであれば、足先だけのプレーではやっぱり通用しない。そこに気持ちが入っていて、1対1も絶対負けないっていうホントに強い気持ちがないとW杯は戦えないなと僕は学んだんで。

 今回のブラジル戦は親善試合だし、技術や個人のレベルでは下回っているにしても、目の前の相手に絶対負けないんだというホントに強い気持ちが大事だと思います。

 相手にボールを持たれる時間も長くなるだろうけど、主導権を握られるのか、握らせるのかはすごく大きな違い。握られると気持ち的にも体力的にも消耗するから。

 自分らがしっかりブロックを作って、相手に主導権を握らせる状況にできれば、相手のパスの出しどころがなかったり、前にボールを進められなかったりして、ちょっと焦りが出てきたりする。そのあたりの駆け引きが僕らにどれくらいできるかってところですね」と長友は相手の焦燥感を与えるような展開に持ち込むことの重要性を改めて口にする。

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