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日本代表 10年前

「相手に主導権を握らせる」。W杯の惨敗を経て、長友の心境にも大きな変化。多彩な戦いが出来るか、ブラジル戦は絶好の試金石

長友佑都は、ブラジルW杯終了後に代表引退も考えたという。しかし、現在では気持ちを切り替えて再起を賭けている。「主導権を握る戦い」を追求した前体制から「主導権を握らせることも1つの手」と価値観も大きく変化した。

text by 元川悦子 photo by Getty Images

インテルでは右サイドでも起用「全てにおいて今は新鮮」

「相手に主導権を握らせる」。W杯の惨敗を経て、長友の心境にも大きな変化。多彩な戦いが出来るか、ブラジル戦は絶好の試金石
長友佑都【写真:Getty Images】

 自身2度目のW杯となった2014年ブラジル大会で「本物の自分を見せたい」と鼻息を荒くしていた長友佑都(インテル)。

 しかし昨季セリエAをフル稼働した疲れが出たのか、本大会中は信じがたいほど動きにキレがなく、絶好調時とは程遠いパフォーマンスに終始した。世界トップと真っ向勝負し、躍進を遂げるはずだった日本代表も惨敗。彼は人目をはばからず涙を流し、一時は代表引退も脳裏をよぎったようだ。

 あれから4ヵ月。長友は気持ちを切り替えてハビエル・アギーレ新監督率いる日本代表で再起を賭けている。

 ワルテル・マッツァーリ体制2年目のインテルでもドドの加入によって右サイドに回されるケースが増え、本人としても思うような結果を出せていないが、全てをポジティブに捉えて、代表での成長につなげようとしているという。

「代表で右サイドをやる可能性は考えたことはないです。ずっと左でやってきたし、右サイドをやったことはないから。ただ、チームに貢献できるのであれば、それに応えるように努力はしたいですけど。実際、インテルで少しだけど右をやってみて、ボールの持ち方も違うし、見える景色も違う。

 全てにおいて今は新鮮な経験ができています。もちろん左の方がプレーも慣れているし、やりやすさもありますけど、これからの僕のサッカー人生やいろんなことを考えた時に右でも自分のレベルを上げていけるのはどこかで役立つと思う。すごくいい経験ができています」と彼は爽やかな表情でこう言った。

 そんな状況下で迎えた今回の10月シリーズは、まず勝利を最優先に考える必要がある。9月はウルグアイ・ベネズエラ相手に個人的なミスから4失点して1分1敗に終わっただけに、今度こそ勝ち星を手にして、新たな代表が大きく浮上するきっかけをつかむことが重要だと長友も考えている。

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