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【現地発最新情報】アギーレへの疑惑も限りなく“クロ”に近い――。検察の動きから追うリーガ八百長事件

text by 山本美智子 photo by Getty Images

特別報酬なら所得税が発生するはずだが……

【現地発最新情報】アギーレへの疑惑も限りなく“クロ”に近い――。検察の動きから追うリーガ八百長事件
スペイン当局が予測するサラゴサ対レバンテ、不正な金銭の動き

 大きく進展したのは、今月2日に。前述したガビが、「実際にこの試合で金銭の動きがあった」と爆弾発言したことを一般紙『エル・ムンド』紙が電子版で報道し、このショッキングなニュースが世界に向けて発信された。

 ガビは試合前に8万5000ユーロ(約1164万円)が自分の口座に振り込まれていることを知り、その場で当時のサラゴサ会長、アガピト・イグレシアスに返却したという。

 18分間に渡って検察からの質問を受けたガビは、「クラブに頼まれたことをやった」と説明し、返却したお金について「そのお金がレバンテの選手に届けられたかどうかはわからないし、どうなったのかも知らない」と釈明。

 また、「そのお金を手にした際に個人所得税に影響するのでは?」と質問したところ、アガピト会長が「心配しないでいい。全てはクラブが対処するから」と答えたことなども明らかにしている。

 八百長が起きても、通常は証拠不十分で起訴できないケースが圧倒的に多いが、今回の件に関していえば、警察だけでなく税務署が捜査に関与し、口座の動きが把握されている。例えば、試合の1週間前に12ヶ所の口座への振込があったこと、試合前日にも40万ユーロ(約5480万円)が引き出されており、レバンテの選手に現金支給があったと考えられること、試合後、レバンテの選手の中に四駆車を購入した選手がいることなどがわかっている。

 その引き出された金額についてアガピト元会長は、バスの移動代など経費だと説明している。また、今回この件をスクープした『エル・ムンド』紙は、紙面を通して検察機関が確認しているだけで今回の八百長試合に120万ユーロ(約1億6440万円)が動いており、この買収疑惑リストに含まれているのは、選手9人プラス1監督、つまりアギーレであること、アギーレが受け取った金額は9万ユーロ(約1233万円)であることなどを報じている。

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