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【現地発最新情報】アギーレへの疑惑も限りなく“クロ”に近い――。検察の動きから追うリーガ八百長事件

これまで八百長というと、日本では対岸の火事のように報じられてきた。ところが、今回ばかりはそうはいかない。スペインで3年前に起きた八百長疑惑試合に現日本代表監督のアギーレが関与していたのだ。一連の検察の動きなどを現地在住記者がまとめる。

text by 山本美智子 photo by Getty Images

聖域への同情、そしてバッシング

ガビ、サラゴサ時代の八百長認める。当時の指揮官はアギーレ。日本代表へ影響出る可能性も
ガビ(現アトレティコ・マドリーのキャプテン)が、金銭が動いたことを反汚職防止検察機関に証言【写真:Getty Images】

 毎年、シーズン末は国内リーグの1部残留をかけた熾烈な戦いが行われる。ところが、3年前の残留争いの中の試合で八百長が行われた疑いがあり、その渦中になんと、現在、日本代表監督のハビエル・アギーレが巻き込まれている。

 当時の疑わしい試合に出場していたガビ(現アトレティコ・マドリーのキャプテン)が、この試合で金銭が動いたことを具体的な金額と共に反汚職防止検察機関に証言。この爆弾発言があった日は、国内のテレビメディアが10局以上、検察機関の外で待ち構え、また、一般紙はサイトで速報を伝えるなど、テレビ、ラジオ、新聞などあらゆるメディアを通して、スペイン国内では大々的に取り上げられ、その行方が見守られている。

 事の発端は、今から3年前の2011年5月21日のレバンテ対サラゴサ戦に遡る。アギーレは、当時サラゴサを率いていた。2011年のこの時期、既にエルクレスとアルメリアの2部降格は決定しており、残り1枠から逃れるために残留争いをしていたのは、サラゴサ、マジョルカ、ヘタフェ、デポルティーボの4チームだった。

 サラゴサがこの日対戦したレバンテは既に1部残留を決めており、そのレバンテにサラゴサが2部降格を避けるために金銭の支払いを行い、八百長試合を行った疑いがあると現スペインプロフェッショナルリーグのハビエル・テバス会長が、今年初めに警察へ調査を依頼。

 その結果、スペインサッカー汚職防止検察機関が調査に乗り出し、関係者の一部を検察機関に呼び出した、というのが今回の経緯だ。

 よくアメリカの法廷映画では、潔白が証明されるまでは誰もが無実などというセリフが出てくるが、今回の八百長疑惑に関して言えば、実は調査自体は18ヶ月前から水面下でスタートしており、ある程度、証拠を固めた上での検察機関が関係者の事情聴取を行っている状態である。つまり、この疑惑は限りなく“クロ”に近いと見られている状態にある。

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