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本田圭佑 10年前

「本田に気の強さが出て来た」。交代に対する不満は前向きな兆候。FKへの“意欲の表現”は自信のバロメーター

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

相手とのマッチアップに勝利。厳しいプレスに耐えてボールをキープ

 前半キエーボのインテンシティが特に激しく、パスを前に通せなかった時間帯でも、がっちりとプレスに耐えて最低限のプレーアングルは確保。バックパスしか出せないような局面でも、無理に逃げようとした末にロストに繋がるということはなかった。

 後半には、更なる余裕も出てくる。16分、少し高めのハイボールを競り合い、最後は体躯を活かしてボールをキープ。そしてプレスをかわしつつ手薄な逆サイドに振り、バタバタしていたミランの展開を落ち着かせる。地味なプレイだが、サッカーを良く知るサン・シーロのファンからは拍手が上がっていた。

 そうしたことを地道に続け、33分にはFKも決める。ちょうどその2分後、本田への対処に遅れたヘテマイから、フラストレーションを事由にしたファウルを喰らう。これもまた地味ながら、マッチアップの勝利の形の一つでもある。

 ビーラギに対してもアバーテと連動し、相手を押し込んで攻めていた。それもまた交代ギリギリまで続けていたから、コンディションは良いことが分かる。1対1になった時にもっと抜けていればなお良かったが、それは次節以降の試合に期待することにしたい。

 とにかく、これだけ走れているから自分でも調子の良さを感じ、交代にも「なんで?」という態度を示したということなのだろう。そしてこういった意欲の表現は、チームの結束を実際に壊すのでなければ、ある程度は許容される。

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