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香川真司 10年前

香川1人では難しい――。最下位に敗北、明確になったドルトムントの課題。待たれる負傷者の復帰

text by 本田千尋 photo by Getty Images

引いたHSV。崩せないドルトムント

 一方、ドルトムントは「コンパクトに守備をして、相手は研究して守ってきている」と香川が試合後に言ったハンブルガーSVを相手にして、攻め方がはっきりしないところがあった。ボールを奪った後でどうするのか。単調なロングボールが目立ったが、ラモスはもとより、前に収め役になる選手がおらず、かと言って、セカンドボールを拾うことも出来ない。

 そして左CBフンメルス、右CBソクラティスとDFラインでボールを繋いで、右SBドゥルムのところでボールを失うことがあれば、オバメヤンの折り返しをラモスがトラップミスをすることもあった。

「相手の守備がコンパクトで、なかなかフリーな時間を与えてくれなかった。時間が取れなかった分またプレッシャーを感じて、ミスを犯しました」と香川は振り返る。そうして膠着状態が続いた34分、ラモスのミスパスをヤンセンがカットしてカウンターを仕掛け、最後はラソッガがキッチリと決めた。ハンブルガーSVが先制する。

 アウェイで先制点を奪ったこともあって、後半に入るとハンブルガーSVは引いてカウンターという手段を取る。香川は変わらず中盤を広く動いて、ボールを受けて捌き続けたが、ドルトムントは最後のところで崩し切れない。

 68分にはドゥルムに代えてピシュチェクを投入し、布陣を香川がトップ下の2トップへと変更する。71分にはシュメルツァーのアーリークロスにラモスが飛び込み、72分には、ペナルティエリアの手前で、香川の後ろへの落としから、ヨイッチがミドル・シュートを放つ。しかしいずれもゴールを割ることが出来ない。

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