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本田圭佑 10年前

「勝ちを手繰り寄せた」ミラン。インザーギ監督の修正能力が引き出した本田の“サイドの選手”としての影響力

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

インザーギ監督による修正が引き出した本田の影響力

本田、FKゴールを語る「譲れるところではなかった。セットプレー専門家のレッスンの成果出た」
後半33分にFKで今季4得点目を挙げた本田圭佑【写真:Getty Images】

 また、本田のプレーを見ても、これまではあまり無かった右サイドの深い位置からクロスを上げる場面もあり、後半9分のムンタリの先制ゴールも本田のクロスから生まれたものだった。

 この試合は、インザーギ監督にとって試合中の修正能力を試される内容となった。そして、チームを見事に修正させたインザーギ監督はコリーニ監督との戦術合戦を制したと言える。

 後半33分にFKで今季4得点目を挙げた本田は、開幕当初は『サイドで起用された中央の選手』という印象が拭えなかったが、後半で見せたように徐々に『サイドの選手』としても影響力を持ち始めている。

 これまでは、サイドを起点にして中央への意識を持つ本田を生かす形をメインとしていたが、この試合ではサイドの本田が中央を生かす形が出来ていた。

 もちろん、ここまで勝利を挙げたラツィオ、パルマ、キエーボは今ひとつ波に乗れていないチームのため、この先はより厳しい戦いも待っている。それでも、この試合で見せた監督と選手の戦術的な幅の広さをより高めていければ極端に苦戦することはないはずだ。

「何となく勝った」のではなく「勝ちを手繰り寄せた」この試合は、フィリッポ・インザーギの監督キャリアにおいても自信をつける一戦となっただろう。

【了】

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