中を固めたキエーボ。これまでの攻撃パターンが封じられる
ACミランは、開幕連勝となった第1節ラツィオ戦と第2節パルマ戦以来の勝ち点3を手にしたが、この今季3勝目は多くの点で確かな手応えを掴んだものとなった。
インザーギ監督によって新たなスタートを切った今季、最もフォーカスされているのは両サイドの攻撃力。エル・シャーラウィやメネズ、ボナヴェントゥーラ、デ・シーリオが左サイドからチャンスメイクをして右の本田が仕留める。本田が中に入ることでアバーテがオーバーラップをする。
チームに浸透している“攻撃の形”のほとんどがサイドを起点にしたものだったが、この日の対戦相手となったキエーボのコリーニ監督はサイドを抑えるのではなく、中央を固める戦い方を選択した。
キエーボのプレーエリアを見ると、自陣ペナルティエリア周辺が28.22%となっている。前節の相手チェゼーナが22.16%、前々節の相手エンポリが21.99%だったため、キエーボはより中央を意識していたと言える。
実際、前半はこの戦略が奏功しており、ミランは“生命線”とも言える『本田が中へ入る動き』を抑えられ、本田は一度もペナルティアークを超えることなくプレーエリアが右サイドに限定されていた。
前半のアタッキングサードでのエリア別の割合を見ると、右サイドが41.47%だったのに対して中央は26.83%。前節が右サイド31.25%、中央35.41%だったことからも思い通りの動きが出来ず、苦しい状況でのプレーを強いられていたことが分かる。