「左足でも、右足でも、頭でもプレースキックからでも得点が出来る」
10月4日、セリエA第6節のキエーボ戦で素晴らしい左足のFKでゴールを決め、パルマ戦以来4試合ぶりの勝利に大きく貢献した本田圭佑。このパフォーマンスは、辛口の地元記者たちを唸らせるものだった。
「いや、もう間違いなく今の彼は全く別の選手になった」
そう語るのは、批評が鋭く選手採点もかなり辛口の傾向にある「コリエレ・デッロ・スポルト」のピエトロ・グアダーニョ記者だ。結果を残せないときは表現を選ばず辛辣だが、この日はピッチのパフォーマンスを忠実に見た上で、理知的に評価していた。
「とりわけフィジカル面での向上が著しい。この試合でも良く現れていて、ミランがキエーボの前に消耗させられた前半で、苦しさを訴えていない選手の一人だった。実際彼も相当ハードな当たりを食らっていたが、あれに耐え切ったしね。
加えて右サイドからも何度か攻め込んでいた。彼にとって利き足のサイドではないのだけど、シュートで完結出来ていたし、点に絡む仕事もしていた。ガッリアーニ副会長も言っていたように、この夏に十分休養を取り、そしてハードにトレーニングした成果が出ているのは明らかだ。
おまけに、とりあえず今晩(4日)の時点で得点ランキングトップに並んだ。左足でも、右足でも、頭でもプレースキックからでも得点が出来る。もうこうなったら、今のミランから彼を外すのは難しいだろうね」
もっとも「内容は、これまでの試合と比べれば良くはなかったと思う」という記者もいた。一般紙「ラ・レプッブリカ」のステファーノ・スカッキ記者は「相手の当たりも激しく、ゴール前ではこれまで見せて来た正確性を出しきれていなかった」と、アタッキングサードでチャンスを作り切れていなかった面があったことを指摘した。
しかし、その状態でもFKのワンチャンスを決め切ったことは評価している。
「苦しい内容の中でも一つのチャンスがあれば、あのFKのように決めてしまう。やはり今、彼は“当たっている”ということだ。交代の時に不満を表していたようにも見えたが、それだけ自分の状態に自信があるということの表れなんだろうね」
【了】
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