相手は戦術家のコリーニ監督。堅い組織をこじ開けられるか
ところでインサイドMFは、インザーギ監督が本田を起用するにあたり可能性の一つとして示唆をしていたポジション。しかしその彼は右のFWとしてブレイクをし、今回も動かない模様。
「確かな存在。ゴールといいアシストといい、さらにチームの必要にも応じて働いてくれる。励みとなるデータが出ているのだから、監督としては尊重せざるを得ない」とインザーギ監督が語るまでになっていた。
本田は昨シーズン、キエーボ戦でカカーのゴールをアシストしている。今回も同様に結果を出して欲しいところだが、今季のキエーボは大幅な戦力アップを図っている。
前線ではマキシ・ロペスやボッタ(ミラン戦は故障欠場)が活躍し、ゴール前も堅くなった。DFラインにはベテランのガンベリーニがダイネッリと元フィオレンティーナコンビが防壁を築き、インテルがパスを持つGKバルディも好セーブを連発する。
そして何より、戦術家のコリーニ監督は格上のサッカーを無力化することに長けており、今季も早速アウェーでナポリから勝ち点を奪い取った。
「ミランは攻撃的なチーム。だが強者と対峙し結果をもぎ取るのは我われのDNAの中にある。攻めて来る相手をいかに食い止め、スペースを活用するかが重要だ」と前日会見で語った。
“確かな存在”となった本田に対しても、それだけにより周到な対策を練ってきているに違いない。フォーメーションを巧みに使い分ける指揮官のもと、4-3-1-2でボランチとSBで挟み込むのか、それとも4-5-1気味の布陣でサイドのスペースを徹底的に消してくるのか。
いずれにせよ堅い組織をワンプレーでこじ開ける、『10番』にふさわしい貢献が望まれる。
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