Jリーグで様々なFWと対戦したことが成長の糧に
そして17節の浦和レッズ戦では、興梠慎三とのマッチアップもあった。鹿島でもプレーした相手のエースに対しても後手を踏む場面が多かった。
「意識していたんですけど、大抵ポストプレーされてしまった」
また、味方がパスを出す瞬間に抜け目なく動き出す興梠を警戒するあまり、持ち味のインターセプトも狙えなかった。
それでも決して弱気になることなく挑み続け、最後の局面では身体を張ってブロックした。この試合で興梠とマッチアップしたことで、自らの進化も感じることができた。
「僕よりランクの上の方なので、どんどんそういう方とやっていって僕もランク上げをしていきたい。慎三さんとやることは自分の中で大きな意味のあった、成長できた試合だったんじゃないかなと」
4月にも国内合宿に招集されたが、当時より経験も自信も確実にアップしている。
ロシアW杯に向けた競争はまだ始まったばかりで、アギーレ監督の中でもまだ序列は出来上がっていないはずだ。
だからこそ誰にでもチャンスがあり、実際にJリーグからも多くの選手が選ばれている。昌子もその一人で、リーグの中で様々なFWと対峙することで力をつけていった。
22歳は世界的に見ればもう若手ではないが、経験も大きな武器となるセンターバックでは別だろう。高いレベルに身を置けば、それだけ自分の経験値として上積みされていく。
Jリーグで研鑽を積み、日本代表として世界を相手にする時がきた。
身長182cmと他を寄せ付けない高さがあるわけではないが、競り合いで完敗するシーンは少ない。落下地点を予測し、相手に体をぶつけるなど、競り合う前の準備がしっかりできているからだろう。
そして、彼はコミュニケーションスキルも高い。試合で起きたことを整理し、自分の言葉で話すことができる。コミュニケーションが特に重要視されるCBというポジションにおいて、昌子の会話力も十分に日本代表レベルに達している。
代表選出後、最初の試合はガンバ大阪が相手だ。ここ2試合で7得点と攻撃陣が爆発。順位も近く、逆転優勝を狙う鹿島としては絶対に落とせない。
昌子としても相手を無失点に抑え、いいイメージを持って日本代表に向かいたいところだ。
【了】
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